- 作者: 伊東明
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/12
- メディア: 単行本
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この「説得技術のプロフェッショナル」という本は、交渉術などのロジカルに説得するためのテクニックではなく、説得後の信頼関係を重視したコミュニケーションについて書かれた本です。
Amazon での紹介が的確なので引用します。
真の「説得技術のプロフェッショナル」とは、相手を説き伏せるのではなく、信頼・友好関係を結び、好感を勝ち取る人だ。
会話した後に「しこり」が残ったことはありませんか? 「説得」という言葉から、相手を説き伏せるような連想をしてしまいがちです。しかし、かりにそのような形で説得に成功したとしても、「イヤなやつ」「無理矢理言うことを聞かされてしまった」との印象を残してしまっては、長い目で見れば大きな損をしてしまうことは間違いありません。そこで本書では、相手を動かすだけにとどまらず、その後の信頼・友好関係まで手に入れるための実践的な技術を論理的に系統立てて説いています。
読んだ人にとっての本の価値は「いつ読んだか」が大きく影響すると思います。
この本をはじめて読んだのは、今から10年前の2007年12月。始めて管理職になって半年ほど経ったときでした。
当時の私は、思ったことを伝えるために、理詰めで、説き伏せるような、合意以外の退路を立つようなコミュニケーションが多かったと思います。
また、真面目で熱意もあったでしょうから、正論が多く、思いが強いぶん相手に対しての怒りも含んだコミュニケーションになっていたのだと思います。この会社を退職後数年経って、(女性の)先輩から「当時のあなたは怖かった」と言われたこともありました。
そんなとき、大手企業からベンチャーに転職して、はじめの管理職になったのですが、強い猛獣だらけのベンチャーでは当然うまく行きませんでした。うまく合意できないことも度々で、合意できても反発されたり、根に持たれることもありました。
そんなときに幾つかコミュニケーションやマネジメントの本を読んだ中で出会ったのがこの本です。内容はAmazonの説明文の通りですが、タイミングが絶妙でした。
同時期、師匠と崇める役員が履いていたジーンズの膝が破れていたんです。理由は、座っている人に話すときに両膝をついて目線を下げて話すから。決して立って見下ろして話さない。
この本や周囲の人たちから学びつつ、徐々に伝え方も変わっていったのをよく覚えています。
「目指す水準や、伝える内容は妥協せず、伝え方は柔軟に変化していく」これが大事なんだと思います。
もちろん、今でもたくさん課題があって、反省する日々です。購入して10年たっても、たまにこの本を読んで「あー、おれ、ダメだな。。。」と思ったりします。
というわけで、タイミングによるけど、読んで損はしないと思うので、気軽に読んでみてくだし。